40代 学校で生徒の進路をサポートする事務員
工場には作業服組とスーツ組が存在し、入社した時に所属した組は定年退職するまで変わりません。
大手工場での作業服組は主に高卒者、大卒で作業服組を希望しても所属することは基本出来ません。
同様に、高卒者がスーツ組を希望しても基本叶いません。
なぜ、高卒者が作業服組で大卒者がスーツ組なのか?
理由は簡単、単に着るもので別けているだけです。
なぜ、作業服組とスーツ組を別ける必要があるのでしょう?
これまた理由は簡単、作業服組とスーツ組では性質が違うからです。
作業服組とスーツ組、どっちが格上なの?
どっちもどっち、どちらかが格上ということはなく、両組は対等的な立場にあります。
スーツを着ているほうが格上に見える?
それは勘違いです。割合を考えれば分かることです。
工場では作業服組の方が圧倒的に数は多く、作業服組が一丸となれば工場の機能を停めることは容易いことです。
作業服組は汗をかく重労働、一方、スーツ組は空調の効いた部屋で仕事をするため、スーツ組のほうが楽に見える?
これも勘違いです。
作業服組の人とスーツ組の人を比べた場合、痩せている人はどちらが多いか?
痩せている割合が高いのは圧倒的にスーツ組、なぜなら、スーツ組の仕事は精神的ストレスがメッチャ掛かるからです。
精神的ストレスを抱えるスーツ組に対し、作業服組が抱えるのが肉体的ストレス、どちらが大変でどちらが楽ということはありません。
どちらの仕事も大変、また、どちらの仕事もやり甲斐があるため、両組は互いにリスペクトしているのです。
このリスペクトのバランスが崩れた工場は、内部崩壊から潰れます。
人間には向き不向きがあります。
受験を経験した人ならば、自分が理系なのか、それとも文系なのかは分かっていますよね。
何をもって理系なのか、それとも文系なのか?
計算をするのがが得意だから理系?読み書きが好きだから文系?
数字的根拠に基づいて物事を判断する性格を有しているのが理系、感覚的に物事を判断するのが文系、つまり、理系と文系は考え方の違い。
考え方が違うだけのため、どちらが上でどちらが下ということはありません。
物事を進めるには、理系・文系、どちらの考え方も取り入れたほうが適切な判断ができるのです。
体を使って働くほうが性に合っているなら作業服組、頭を使って働くほうが性に合っているならスーツ組で働く。
作業服組で働くのか、それともスーツ組で働くのかは、高校生の間に決めなくてはなりません。なぜなら、大学を出てしまうと、作業服組に入るのが基本出来なくなるからです。
工場には、大学を出ても作業服を着て働いている者もいますが、この者は作業服を着ているだけで、属しているのはスーツ組。
工場は一度属したら、その組からは抜けることは基本出来ません。
もし、所属する組から抜けるようなことがあれば、所属していた組の人間から「裏切り者」と陰口を叩かれます。
工場は工場長を頂点とする階級社会、しかし、前記したように、作業服組とスーツ組の立場は同じ。
各組に階級があり、班をまとめるのが班長、その班が所属するグループをまとめるのがグループ長。
どの班に所属するのか、どのグループに所属するかは、上層部が決めます。
人には好き嫌いがあります。好きな人がいる班やグループに所属すれば、楽しく仕事は出来るかもしれません。しかし、好きでない人がいる班に所属してしまうと、精神的ストレスを抱えながら仕事をするハメになります。
上層部は、どのようにして、所属する班やグループを決めているのでしょう?
適当に決めている?嫌がらせで決めている?
そんなことは絶対ありません。なぜなら、決めたことにミスが起きれば、決めた者が責任を負わされるからです。
スポーツでポジションを決めるのと同じで、所属する班やグループは適材適所で決まります。
「どうして嫌な班に所属させられるんだ!」と不満を抱くこともあるでしょう。しかし、嫌な班に所属したのは貴方が嫌なヤツだから、あくまで適材適所で決まったのです。
嫌な班に所属させられると、所属先を決めた者に反感を抱くのは間違いです。
そもそも、なぜ、工場に働くことになったのですか?
工場で働くことが、子供の時からの夢でしたか?
大人になったら、作業服を着て汗だくになって働くのが子供の時の夢でしたか?
工場で働くことは、いつから決めましたか?消去法で決めませんでしたか?
進路を決める時に、何を考えましたか?
工場で働く父親の背中に憧れて、自分も同じ道を歩もうと思いましたか?
それとも、勉強が苦手だから大学進学はせず、工場で働こうと考えませんでしたか?
どの工場で働こう?
子供の時に、どの工場で働きたいと思っていましたか?
進路を決める時に、どの工場から採用枠は無くなっていきましたか?
おそらく、高待遇で働ける規模の大きい工場から、採用枠は無くなったでしょう。
どの工場で働くかは、学校の成績順で決まります。
成績が良い者から、条件の良い工場で働けるチャンスを得られます。
あくまでチャンスに過ぎないため、採用試験でドジれば落とされます。
学生時代に勉強を怠り、しかも、ヤンチャをしていると、条件の良い工場では働けません。
どの工場で、どの班で働くかは、今までどう生きて来たかで決まるのです。だから、所属先を決めた者に反感を抱くのは間違いなのです。
今の自分は、それまで歩んで来た結果。不平不満を言って何かが変わりますか?
これからの人生をどうするかは、貴方が決めることです。
工場で働くことに生きがいを見付けられないと、良く耳にします。
しかし、誰が仕事で生きがいを見付けろと言いました?
勝手な思い過ごしで、自分自身を苦しめていませんか?
仕事以外で生きがいを見つけて良いじゃないですか!
工場の仕事は家族を養うため、立派なことじゃないですか!